労務書類の管理や仕分け作業の軽減、回収時のミスを減らすためにIT化を検討
まずは御社の事業内容や会社の特徴について教えてください
私たちは清掃管理サービスを主力事業にしている会社です。多くの工場が立ち並ぶ静岡県富士市に本社があるのが特徴で、現在は他にも7つの拠点から全国へサービスを展開しています。一番多く在籍するスタッフはビル・工場・商業施設などの清掃員などで、短期契約から長期まで、様々な雇用形態で働いています。
土屋様は御社でどのような仕事をされているのでしょうか?
私はコロナ禍になる1年前くらいに総務部の部長になり、今回の「クラウドハウス労務」の導入や、バックオフィス業務の改善などを推進しています。
弊社の総務部では、主に従業員の入退社の管理や、給与計算の取りまとめ、社会保険・雇用保険に加入する際の窓口、求人募集の際の手続きなどを行っており、労務関連は本社が全ての営業所エリアの管理を担っています。
「クラウドハウス労務」を導入する前、労務関連ではどんな課題がありましたか?
契約契約の更新や管理などの業務は全て紙ベースで行っていたところが大きな課題であり、改善したかったポイントです。
というのも、弊社のスタッフの多くは時給のパート・アルバイトで契約して働いており、全従業員600名中正社員は100名ほどで、大半が半年ないし3ヶ月ごとの契約更新になります。そういった雇用の背景がありながら、契約更新業務はExcelで書類を2部作成し、紙に印刷し、スタッフに署名押印してもらって担当者が回収するようなアナログな流れで進めていたので、とても工数がかかっていました。さらに、できあがった書類を一枚一枚ファイリングして社労士さんに渡すのもかなりの手間でしたね。
御社の組織規模で、契約業務のほとんどを紙ベースで行うのは大変だったことが容易に想像できます。
契約書を一枚一枚確認して記載ミスなどがあれば、手書きで直して修正印を押してもらって、連絡を受けるという流れで進めていたので、大変でしたね。
特に給与の計算は約1ヶ月遅れで対応が必要で、10月更新であれば10月中に書類が戻ってきてほしかったのですが、実際は修正がうまくいかず書類が届いていないということがよくありました。
また、最低賃金の上昇や社会保険適用の拡大などの情報を頭に入れてアナログで対応していたことも多くあったので、担当者の経験や記憶に頼りすぎない仕組みを構築する必要性も課題としてありました。
属人的にならないようITで仕組み化するのも大事ですよね。
そうなんです。そこでまず紙を無くす一環として出勤簿のOCR化などには先に取り組んでいました。すると、郵送したり実際にスタッフに会いに行って届ける書類が雇用契約書がメインになり、これだけのために人が動くことを無くし、業務を効率化したいという想いが強くなったのです。もちろん現場に行くのはスタッフにあったりお客様に挨拶したりするので無くなりませんが、締め切りがある労務全般はITで完結したいという想いで「クラウドハウス労務」を導入するに至りました。
紙によるアナログ対応からITシステムへ移行する上での注意点
「クラウドハウス労務」を知ることになったきっかけを教えてください。
最初は社会保険労務士事務所と連携できる別のサービスを社労士さんから紹介いただいていました。しかし、おすすめされてはいたものの使い勝手がわからず、費用感は抑えられそうでしたが運用がうまくいくイメージが湧きませんでした。社労士さんにとっては連携できた方が都合が良くても、一番肝心な自社内の業務が改善できなければ意味がなかったのです。
そのタイミングで、東京支店の本部長が「クラウドハウス労務」の話を聞いたのが導入のきっかけになりました。
今まで紙ベースの業務が中心だった御社にとっては新たなシステムを入れるのは大きな変化だと思います。導入する前に気になったことは他にありましたか?
先ほども触れた通り、弊社はいろいろな雇用形態のスタッフがいるため、実際に導入してスムーズに対応できるのかという不安はありました。今までがアナログな会社だったこともあり、紙を使った仕事に慣れたスタッフがどこまでついていけるかも未知数でしたね。
しかし、以前から2割くらいの方はIT化への対応に苦労しても、8割の方は業務効率が良くなりうまく進むと感じていました。結果的にもシステム導入後、8割の方は何も問題なく進みましたし、残りの2割の人もしっかりフォローすれば大丈夫でしたね。
また、「クラウドハウス労務」の担当者と何度も打ち合わせをして、弊社の環境に合わせて導入できるように心配の根を1つづつ摘んでいただけたのも安心できました。
実はご提案いただいた時にはまだサービスの開発段階だったのですが、結果的にそれも良かったところです。できあがっていないシステムだからこそ、弊社の事情に合わせて対応いただけることもあると思ったのです。実際、他のサービスは決まった仕様のシステムを導入するだけでしたが、「クラウドハウス労務」は弊社に合った形にカスタマイズして導入できたのが良かったですね。
「クラウドハウス労務」を導入して感じたメリットとは
実際に「クラウドハウス労務」を導入し、どんなメリットがありましたか?
2021年8月に導入してからスムーズに対応できています。心配していた点は取り越し苦労が多く、実際に使い始めてみるとこんなに良くなるんだというのが素直な感想です。その上で、具体的には以下の点ですね。
■管理業務の工数削減
総務部では計算や印刷や郵送と、紙を使う作業でまる1日かかることも今まででは当たり前でした。「クラウドハウス労務」を導入して全てがうまく回り始めれば、単純計算で管理者1人あたり月に2日分くらいの作業の節約になるのではと思っています。管理者は全社で20名くらいいるので、相当な労力が軽減できるはずです。入社の手続きがスムーズに進むと、給与計算業務も余裕を持って進められるため工数削減はとても大きな効果です。
■ミスがなくなり心理的負担も減る
「クラウドハウス労務」を導入してからはミスがなくなり、社労士さんへの連絡もスムーズになったことで心理的負担がだいぶ削減されました。
というのも、今まで契約書を書いたあとは、何日までに社労士さんに連絡という業務フローがありました。しかし、なるべく早い段階で雇用契約書を整えようとしても、必要な書類が5あったとして3が出てきたけど2がそろわなかったり、4の書類の記載ミスがあってもスタッフは毎日出社する方ばかりではないので、次に出社するのは来週だからそれまでは対応できないと回答されることも多かったり……総務としては全てがアナログ対応で困っていたからです。
「クラウドハウス労務」を導入し、ミスや遅れが解消できたのはとても大きな効果です。今まではスタッフからの書類が届かず、給与計算に必要な情報が整わないために毎月困っていたのが結果的に解消された形です。
■業務進捗の見える化
弊社の場合、スタッフが登録する各営業所が契約業務を行っています。しかし、面接しているのか、実際に採用したのか、今どのフェーズなのかは本社に連絡が来たり、書類が届くまで待つ必要がありました。書類が遅れていても、各営業所まで取りに行くわけにはいかなかったので、進捗確認のタイムラグがあることが課題でした。
しかし、「クラウドハウス労務」を導入してからは、システム上で進捗確認ができ、うまく進んでいないところは営業所に問い合わせすることもできるようになったので、“待ち”の状態がなくなりました。
■リモートで作業できる
コロナ禍前は朝礼と夕礼は事務所にいることがルールでした。必要な書類が事務所にあることが多かったからで、遠い現場にいてもわざわざ戻ってきていたのです。しかし、コロナ禍で在宅勤務や直行直帰を推奨するようになってから、「クラウドハウス労務」のおかげで労務業務もオンラインでできるようになり、事務所に出社しなくてもパソコンを開いて承認すれば対応できるなどとても助かっています。
「クラウドハウス労務」のシステムの機能面での使いやすさはいかがですか?
総務部は普段からパソコンで作業しているので全く問題なく使えています。スタッフは、若い人はすごく対応が速いのですが、平均年齢が60歳を超えているので高齢の方にはなかなか難しいケースもあるかもしれません。
ただ、パソコン作業が得意な方が代行して入社手続きをサポートしたり、給料明細をWeb化した時はマニュアルを作って一人一人に配ったりといった工夫をしたり、「クラウドハウス労務」はスマホでも入力可能なので助かっているスタッフは多いと思います。
それは良かったです!
また、導入してみて良かったと感じたことは、「クラウドハウス労務」のサポート体制がしっかりしているので、わからないことを相談したり、使いやすい機能にできないかなどをリクエストできることです。例えば、「契約書のココを直してもらいたい」と思った場合、「クラウドハウス労務」のエンジニアの方に相談し、改善していただいています。カスタマーサポートの担当者からも「いついつまでに改善します」と具体的に話を進めてくれるのはやりやすいですね。
ITサービスは使い始めてから、どうすればいいかわからないと感じることもよくあるのですが、「クラウドハウス労務」はすぐに担当者とコミュニケーションがとれるサービスなのでとても助かっています。
今後も労務管理の苦労や負担を減らす頼れるサービスとして活用したい
今後も労務管理の苦労や負担を減らす頼れるサービスとして活用したい
今後は、スタッフが入社してから退職するまで、1つのシステムで契約業務が完結するようにしたいですね。弊社のように多種多様な雇用形態や働き方の人がいる会社では大変なところもあるかもしれませんが、「クラウドハウス労務」と同様にITでシステムを構築できたらいいなと思っています。最終的な目標は紙による業務を無くすことです。