事業の成長に合わせて、アナログ業務をITシステムへ移行
まずは御社の事業内容や会社の特徴について教えてください
私たちの事業は大きく4つに分かれています。
■人材派遣事業
営業・販売員・事務・コールセンター・倉庫・引越・イベントスタッフなどお客様企業のニーズにあった人材を提供
■セールスプロモーション事業
イベントの企画から運営までを一括管理
■コンテンツプロバイダ事業(ICTソリューション事業)
各種デジタルコンテンツの流通・決済代行・システム構築、運営業務(Eコマース)
■コンシューマーサービス事業
家事代行サービス
この中で、人材派遣事業が「クラウドハウス労務」を利用しているメインの部署になります。具体的には、派遣スタッフの登録時の情報管理などに使っており、ゆくゆくは別の事業部や本部スタッフの労務関連でも使う可能性はあります。
「クラウドハウス労務」を導入する前はどんな課題がありましたか?
派遣スタッフの全てのデータを紙で管理していたため、スタッフの就業先が決まったら、一度来社していただき、紙面に必要事項を記入し、書庫で保管するフローが導入前の基本業務でした。書類は、履歴書、口座情報、契約書、扶養控除申告書、年末調整、マイナンバーなど多岐に渡っていたため、必要書類を探す手間や、郵送する工数、ミスにより郵送書類が届かないリスクや不備の修正の手間などが課題としてありました。
登録スタッフが少ないうちはアナログでも問題なく対応できていましたが、事業の成長と共にスタッフ数が増えていき、30人から300人超と10倍以上なったことにより紙で行う業務の課題が顕在化していきました。そのタイミングで今回、ITやクラウドへ移行する手段を検討することにしたのです。
紙で行う業務工数は、以前はどのくらいかかっていたのでしょうか?
毎月全スタッフが契約更新を行うわけではないので業務量の波はありますが、人数が少ない時でも1日がかりの作業でした。宛名を印刷して、切手を貼り、郵便局に行ってという時間や、郵送費もかさむので、登録スタッフが増えるほど時間も費用もかかっていましたね。
何より紙を使った作業をする際は、ちょっと手が空いたから片手間で行うといった業務ではなく、とても大変で苦手な作業を毎月ルーティンで行わないといけない業務であるという認識があったのも正直なところです。今となっては、そこから解放されたのが一番大きかったなという気持ちを抱いています。
実際に使ってみて使用感を検証するために導入
さまざまな課題があり、ITシステムに移行する際、「クラウドハウス労務」を導入する決め手となったのはどういった点からでしょうか?
いろいろなサービスを探しているときに、以前運営元のテックハウスさんから「クラウドハウス採用」という別のサービスのご提案があったことを思い出し、このタイミングでもう一度担当者に話を聞いてみようと考えたことがきっかけです。
最終的に導入を決めたのは、コロナ禍が流行する頃のタイミングで、今の時代に合わせてバックオフィス業務もクラウド化する必要を感じ、まずは使ってみようという判断でした。正直、ITサービスは実際に使ってみないと相性がわからないこともあり、導入をしてからメリットやデメリットを検証しようという気持ちもありました。
新しいシステムを導入する際、企業によっては変化に対する抵抗を覚えるケースもあります。御社はその点はいかがでしたか?
変化に対する毛嫌いはありませんでした。むしろ、弊社の事業でもシステム開発・導入を行っているので、自社で勤怠管理システムを作るという案もあったくらいITクラウド化は積極的に進めていきたかった分野です。ただ、餅は餅屋ではないですが、労務関連で「クラウドハウス労務」のようなサービスを作るノウハウやリソースは自社になかったので、今回は契約して導入をすることに決めました。
「クラウドハウス労務」を導入して感じたメリットとは
実際に「クラウドハウス労務」を導入してみてどんなメリットがありましたか?
■オンラインにより業務効率化
以前は面接を全て対面で行っていましたが、コロナ禍の影響でオンラインで実施するようになりました。その結果、対面で手続き書類を記入するよりも、「クラウドハウス労務」を活用し入力する方がお互いに効率が良くなり、記載不備があっても再度郵送などの手間が省けました。また、システム上ですぐに入力や修正ができるようになったこともうれしいポイントです。世間的にもオンライン化が進んでいたタイミングで、登録スタッフからの抵抗感もなく効率化できました。
■時間や場所を選ばずに業務ができる
紙で書類を保管していると、書類の確認のたびにオフィスの書庫に行く必要がありました。しかし、書類がクラウド上にあれば、いつどこにいても確認できるので、出社せずとも在宅リモートで対応も可能になり、時間効率が良くなりました。
■サービス・フォロー体制が安心
導入時、「クラウドハウス労務」の担当者に初期の作り込みを細かいところまで対応していただきました。そのため、最初から自社にあった形でシステム導入いただいたので大きな改善はなく継続して活用できています。小さな改善は担当者が日々行ってくだるのでより使いやすくなっています。さらには、何かあれば質問できる体制と、いつも早いレスポンスをいただけるのでとてもありがたく、「こういうのどうなんですか?」と気軽に質問できる関係性でいられるので助かっています。
「クラウドハウス労務」のシステムの機能面での使いやすさはいかがですか?
一番最初に使った際の印象として、正直、「とても楽!」という感想を抱きました。書類を回収して確認するフローがかなり簡潔になり、必要な書類のテンプレートもワンクリックで感覚的に選べるのでとても簡単です。すぐに操作に慣れて、管理画面上の操作で困ったことは一度もありません。
また、労務関連のシステムで派遣会社の委託形態にカスタマイズできるサービスは今までなかったので、派遣の特殊な契約や、就業条件の明示などの際も問題なく使えており、契約更新の書類作成もかなり楽になりました。
「クラウドハウス労務」の導入前は、労務対応の時間工数もかなりかかっていたという課題がありました。その点はいかがでしょうか?
作業時間は、登録スタッフ一人につき3~5分は短縮できており、1人あたりとしては数分ですが、合わせればかなりの時間短縮になっていると思います。書類を探す、印刷にかける、保管する、郵送するなどの作業がなくなったことで時間もですが、心理的負担がなくなりました。
以前はこの業務のために1日は空けていましたが、「クラウドハウス労務」を導入してからは、他の業務をしながらスキマ時間に確認できる仕組みが構築されました。さらにデータに不備があると先に進めないようになっているシステムなので、ダブルチェックをする必要がなくなり、書類不備を大幅に減らすことができました。
「ITを導入する意義は、本質的な業務の時間を増やすこと」
今後の「クラウドハウス労務」の活用について教えてください。
現在、バックオフィスの管理側の人材は少数精鋭で、限られた労力の中で行っています。そのため、いかに1人当たりの業務量を増やすか、もしくは削減し効率化していけるかが課題でした。
ITシステムの導入意義とは、いかに本業に集中できる時間を増やせるかにもあります。弊社の場合は、面接の回数を増やすことができたり、お客様に人材の提案をする時間を増やすことが、それに当たります。その点、「クラウドハウス労務」はバックオフィスの効率化にかなり役立っており、今後も労務にかける時間短縮や改善ができれば、営業やスタッフ採用のための本質的な業務の時間が増えると期待しています。
最終的には、東京の派遣スタッフだけではなく、大阪・名古屋・北海道など他の事業所のスタッフ管理や本社社員の労務管理まで一括でできたら非常に便利ではないかと考えております。会社としても上場を見据え、情報をしっかりと管理していく必要があるので、紙によるアナログ管理を脱却し、組織体制を強化していきたいと考えています。